受験勉強で最も重要なのは「国語力」。

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こんにちは、山本です。
今日は受験勉強で最も重要な力は「国語力」だ
というテーマで書いていきたいと思います。

僕は普段受験生の指導をしています。

Skype通話による音声での指導のほか、
メールやLineでの文章による質問回答をしています。

問題集と解答例、時にはノートの写メを乗せ
質問文と一緒に送ってもらう形式です。

そのときに結構な割合であるのが
質問文の答えが解答例に思いっきり書いてる
という現象です。

もちろん、
・単純に見落としてしまっている
・解答例の解説では説明が不十分
・解答例の文章がうまく読めていない
など、様々な理由がありますが、
僕が一番気になるのは3つ目のパターンです。

そうは言われてもよくわからないと思うので、
「アミラーゼ問題」で説明しましょう。

次の文を読みなさい。

アミラーゼという酵素はグルコースがつながってできたデンプンを分解するが、同じグルコースからできていても、形が違うセルロースは分解できない。

この文脈において、以下の文中の空欄にあてはまる最も適当なものを選択肢のうちから1つ選びなさい。

セルロースは(     )と形が違う。

(1)デンプン (2)アミラーゼ
(3)グルコース (4)酵素

実はこの問題は、
化学の知識が全くないような人でも
文章が読めていれば解ける問題です。

このサイトを利用している人には
ここに出てくる単語はさすがに知ってて欲しいですが。笑

まあとにかく、
上の問題は日本人なら誰でもわかるはずですが
実際には結構正解率が下がるようです。

国語力がないと困ることはたくさん!

ちなみにこの問題の答えは(1)デンプン。
あなたはわかりましたか?

受験勉強の中で文章は大量に出てきます。

教科書を読むとき、解答例を読むとき、
入試試験本番で問題文を読むとき、
わからない知識をネットで調べて
受験メモというサイトを読むときなどです。

もっと話を広げれば、先生の話を聞くときにも
言っていることを正確に聞く必要があります。

それこそ上のアミラーゼ問題は
教科書の説明文に出るかもしれない内容ですよね。
(それにしてはわかりにくい文章ですが。)

それを読み間違えてしまえば
教科書を読んでも間違った知識を覚えてしまうので
いくら勉強しても身につかない、というようなことが起こります。

実際に生徒への質問回答でも、
解答例に書かれている内容をより整理して書き直すだけ
で疑問を解決できることがかなりあります。

何か新しい知識を教えてあげるのではなく、
そこに書かれた日本語を解説するだけで
疑問が解決されてしまうのです。

逆に解答例を読む国語力さえあれば
一人でも疑問を解決できるということになりますよね。

だからこそ
受験勉強では国語力が本当に重要だと思います。

なぜ読み間違いが起こるのか

読み間違いをしてしまう一番の原因は
固有名詞に注目しすぎてしまうこと
があると思います。

例えば以下の文章を見てみましょう。

資本主義は記号である。

これをみて何を思いましたか?
何を言っているかわからないなあ
という人が多いのではないでしょうか?

しかし冷静に考えれば、
この文章は「資本主義=記号」、
もしくは「資本主義は記号という集合の元」
と言っているだけですね。

もちろん、
じゃあ資本主義=記号ってどういうこと?
と思うわけですが、
それはこの文章からわかることは原理的にありえません。

例えば数学で「a=b」と出てきたときに
「で、結局bは1なの?2なの?」
なんて疑問は持ちませんよね。

a=bからはそれ以上の情報がないからです。

原則、言語も同様なわけですね。

ではなぜ数学でできる考え方が
国語ではできなくなってしまうかというと、
それは「固有名詞に注目しすぎるから」ですね。

例えば、資本主義と聞いた時点で
資本主義について知っている事前知識が頭に浮かびます。

それはつまり資本主義が固有名詞的だということです。
(もちろん文脈によりますけどね。)

一方、「記号」はどうでしょうか。
こちらも前後の文脈がないと判断はできませんが
「資本主義=記号」の意味が通じていない以上
固有の意味を持つ言葉とは考えづらいです。

つまりこの時点で「記号」に深い意味はない、
言い換えるなら固有名詞的ではないということです。
細かい意味は前後の文章で補足されます。

このように、
自分の頭にある固有名詞としての意味に縛られ
文脈として読むことができなくなることが
文章をうまく読めない原因なのかなー
なんて考えています。

論理で文章を読むようにしよう

もうひとつ具体例をあげようと思います。

I was looking at the woman behind whom I was standing.

これはどういう意味になるでしょうか。

見た目で判断してしまう人は
以下のような訳をしてしまいます。

【誤答例】
私が立っている後ろにいる女性を見ていた。

しかし実際に正しい訳は以下の通り。

【正しい訳】
私が立っている前にいる女性を見ていた。

上の文章を元々の2文に直せば、
I was looking at the woman.
I was standing behind the woman.
です。

「私はその女性を見ていた、
そして私は女性の後ろに立っていた。」
というのが直訳です。

位置関係としては、
女性は私の前にいることになるので
上のような訳になるわけです。

以上の様々な例からわかるように
目の前の単語の意味に惑わされて
文章を論理で読めないことは多いと思います。

こういう文章の誤読が多発すると
とにかく勉強の効率が下がってしまいますよね。

だからこそ僕は
受験勉強で一番重要なのは「国語力」だ
と考えるわけです。

自分がきちんと日本語を読めているか、
目の前の単語の意味に囚われてしまって
本質を見逃していないか、
というのにはよく注意してみてください。

最後に

今回は受験勉強で最も重要なこと
というテーマでした。

国語力は一朝一夕でつく能力ではないし
国語力をつける明確な勉強法もないと思うので
なかなか簡単ではないと思いますが、
日々の勉強で意識をしてみましょう。

参考書を読んでいてどうしても意味が取れない場合
論理関係を図で書いてみたりするのもいいと思います。

ぜひ意識してみてください。

では今日はこんなもんで。

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